今年3月15日の新聞に折り込まれていた取手市広報紙『広報とりで』1385号の1面に「取手駅西口駅前に『図書館を核とした複合公共施設』の整備を目指します!」とのタイトルが踊っていました。タイトルは「目指します!」と大ニュースであるかのごとく感嘆符で強調し、記事本文は「整備する方針を決定しました」と異論や修正を認めない姿勢を強く感じさせました。
このような大事な方針をいつ誰がどのような手続きと根拠で決定したのか気になったので、遅ればせながら8月のお盆明け、いばらき電子申請・届け出サービスを使って、市長と市教育委員会に対し下記の各情報の開示を請求しました。
今年3月15日付『広報とりで』の1ページ目に掲載された下記の各記事に関連し、紙・電子形式を問わず、庁議や庁内検討委員会、審議会など各種会合の議事録、これら会合に提出・用意された資料、決裁・供覧文書、送受信されたメールなど一切の情報
1)「市は、建設が予定されている再開発ビル内に、取手図書館を機能や規模を拡充して移設し、市民の皆さんが交流・活動できる機能を併せ持った複合公共施設として整備する方針を決定しました。」の記述について、その方針決定の経緯や根拠等が分かる情報
2)「この移設により、既存の取手図書館は廃止します。」との記述について、その廃止決定の経緯や根拠等が分かる情報
3)小見出し「複合公共施設整備を目指す背景」で列挙されている「取手駅前には、生涯学習機能や市民交流、活動機能が現状不足している。」など3点の各根拠が分かる情報
1)と2)について取手市長からの「情報部分開示決定通知書」では
双方の方針を同時に決定したため、開示文書は共通のものとなります。具体的には、令和5 年度第1 回取手駅周辺再生本部における配布資料及び会議要旨並びに方針決定に関する決裁文書となります。
として
a)2月7日開かれた「取手駅周辺再生本部」(本部長・副市長)の令和5年度第1回会議の配布資料「事業内容(案)」
b)同上会議の配布資料「基本構想策定に向けた検討の進め方(案)」
c)同上会議の要旨
d)市長が2月13日決裁した文書「取手駅西口A街区再開発ビル内複合公共施設整備事業の方針について」
e)同事業方針の説明資料
が開示されました。
a)とc)については「(地権者)個人の権利利益を害するおそれ」「準備組合との協力関係及び信頼関係が著しく損なわれるおそれ」「未成熟な情報が公になることにより、誤解や憶測に基づき市民の間に混乱を生じさせる恐れ」などを理由として、一部黒塗りの部分開示となりました。
3)の請求に対しては備考欄で
既存の公共施設等の配置状況を整理した結果、「健康増進機能」、「文化芸術機能」、「地域医療機能」、「起業・創業・就業・支援機能」、「市民窓口機能」及び「子育て支援機能」については充足されていると判断し、他方で、生涯学習を支援する機能や市民が交流・活動することができる機能については不足している状況であると判断
との説明が添えられていました。しかし、「不足」と言いながら、生涯学習機能や市民交流・活動機能を含めてあれもこれもと、いろいろな機能を取手駅前に一極集中的にそろえなければならない理由や根拠はまったく示されませんでした。
一方、取手市教育長からの「情報不開示決定通知書」では
図書館機能の移転及び既存の図書館の廃止について図書館で検討した事実はなく、当該開示請求に係る公文書を、開示請求日時点において、図書館では作成及び取得をしておらず、いずれも保有していないため。
として「文書不存在」を理由に文書開示が一切がありませんでした。市民の身近な施設である図書館を廃止・移転するという重大な方針決定にもかかわらず、「図書館で検討した事実はな(い)」と言い切れてしまうのはとても衝撃的ですらあります。
以下PDFが8月18日請求(以降「1次請求」と呼びます)に対して開示された資料(以降「1次開示資料」と呼びます)です。
(続く)
近日中に2次請求に基づく開示資料を「その2」としてアップします。