米ノ井地区にそびえていた巨木スダジイ2本の伐採(今年2月)に先立つ2019(令和元)年9月、市保存樹木の指定解除をあっさり容認した「取手市緑の審議会」。その委員のうち、市民から公募する委員はどのように選んでいるのかに焦点を絞って、下記5点について情報開示請求しましたが、一部非開示となりました。

1)委員公募の手続きや応募資格などを定めた規定
2)過去5年間の委員公募の告知方法(「広報とりで」掲載など)
3)過去5年間の公募に対する応募状況
4)過去5年間の公募委員の選任根拠
5)過去5年間の審議会全委員の委嘱決裁書

重大なことに公募委員の選考基準を「公にすることにより適正な事務の執行に支障を及ぼす恐れがあるため」として不開示としました。選考基準を全面真っ黒の墨塗りにして隠ぺいしてしまっては、公募委員が適正に選ばれているのか市民がチェックできません。

適正に選んだことをまともに説明できないような委員らによって、スダジイの保存樹木の指定解除が答申されたと断じざるを得ません。スダジイがかわいそうです。

※一部文書の右肩にある番号は、「0_緑の審議会公募委員選任方法情報部分開示決定通知書」の目録番号を書き加えたものです。

「公募者選考基準」と「肩書き」の不開示を不服として審査請求書を送付しました。(一部加工)


「公募者選考基準」と「肩書き」の不開示を不服として審査請求してから2年を過ぎて、市情報公開及び個人情報保護審査会(高橋勇会長、以下「情報公開等審査会」)から「情報開示決定等答申書」の写しが2024年9月にようやく送られてきました。同答申書は審査結果として

本件部分開示決定処分において、開示(ママ)された「取手市緑の審議会委員における公募委員決定の評価基準」及び「緑の審議会市民公募審査採点表」のうち不開示とされた「公募者選考基準」については開示すべきであり、その余の部分について処分庁の決定は、妥当である。

と、緑の審議会委員について所属する自然保護団体名や役所名など肩書の不開示を妥当としたものの、公募委員をどのような基準で選んでいるのか選考基準については開示するよう答申しました。

ただ、開示を妥当とした根拠をめぐっては、ポチの反論書で強調した情報開示行政の統一性に言及しないばかりか、下記引用の通り、「相応の年数」というあいまいな基準のもとに、「いつまでも同じ基準を使っていないだろうから」と、勝手な推測に基づく論理展開でした。「優れた識見を有する者」(取手市情報公開及び個人情報保護審査会条例第3条2項)による作文とは思えませんでした。事実上「情報公開の壁」になっている情報公開等審査会の委員選任方法についても今後、情報開示請求したいと思います。

本件公募者選考基準は、令和元年当時に緑の審議会委員を選考するに際し使用された選考基準であり、すでに5年前のものであって相応の年数が経過している。そして公募による緑の審議会委員を選考する方法やその選考基準は、将来にわたって一定不変ではなく、各公募時点の状況によりその都度ふさわしい選考方法や選考基準が処分庁により検討されて決められるはずのものである。したがって、令和元年当時の本件公募者選考基準につき、これを現在開示したところで、不開示を妥当とすべきほどの事務遂行上の支障が取手市に生ずるおそれがあるとは言えないと考える。

この答申により、2024年10月、不開示になっていた選考基準が開示されました。黒塗りにされ不開示だった文書と今回開示された文書を並べた画像を作成してみました。

開示された選考基準(「評価基準」)を簡単にまとめると下記となりますが、このような基準をなぜ非開示としたのか不可解でなりません。取手市政が情報公開にいかに後ろ向きなのかを象徴する黒塗りと言えます。

・高得点者を選出
・「取手市緑の保全と緑化の推進に関する条例」の趣旨理解度(10点)
・応募動機と論旨の分かりやすさ(10点)
・緑化行政に対する意見やアイデアの有無(10点)
・緑化推進への熱意(10点)
・経歴の委員活動への有効性(10点)

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