地元取手在住の葉梨康弘衆院議員が2022年8月10日発足の第2次岸田内閣で法務大臣として初入閣しました。何か「お祝い」でもと思い、茨城県公式サイトの県選挙管理委員会ページと総務省サイトの国会議員関係政治団体の収支報告書ページを見回したところ、それぞれのページで葉梨議員がいずれも代表を務める自民党茨城県第3選挙区支部と資金管理団体・信和政経懇話会の各令和2年分収支報告書を見つけました。両収支報告書には「国旗代」が同じ支出額、同じ支出日、同じ支出先「26,180円、4月27日、東京製旗」として記載されていました。
自民党茨城県第3選挙区支部と信和政経懇話会それぞれで国旗セットを購入したのかなとも思いましたが、二重計上の疑いも捨てきれず、それぞれの収支報告書に添付提出されている領収書の写しを茨城県選挙管理委員会に開示請求しました。
自民党茨城県第3選挙区支部と信和政経懇話会それぞれの収支報告書に添付されていた「領収書の写し」のコピーがほどなく県選挙管理委員会から郵送されてきました。二つの「領収書の写し」を見比べてみると、宛名と同様に異なっているはずの領収書番号(右上)と取引コード(左下)がまったく同一で、それぞれ16910、tospashop-10011743となっていました。
どちらかの領収書を偽造した疑いが強まりました。ふと見ると、どちらの領収書も「電子領収書につき印紙不要」(左下)と記載され、領収書右下に「内容証明書を確認」との説明が付いたQRコードが付いています。QRコードをスマホで読み取ったところ「内容証明書」と題するPDFが表示され、ダウンロードできました。
自民党茨城県第3選挙区支部宛の領収書の右下にあるQRコード読み取りで表示される内容証明書では「宛先 自由民主党茨城県第三選挙区支部」と正しく表示されました。ところが、信和政経懇話会宛の領収書右下のQRコードで表示される内容証明書の方も「宛先 自由民主党茨城県第三選挙区支部」と表示され、「信和政経懇話会」ではないのです。QRコードのリンク先を調べたところ、どちらも同一のURLでした。すなわち、信和政経懇話会宛の領収書は、自民党茨城県第3選挙区支部宛の領収書を下敷きにして偽造された疑いが一層強まりました。
信和政経懇話会宛ての「領収書の写し」の画像を拡大し、宛名下線で水平を取ってトリミングしてみました。「電子領収書」なのに「信和政経懇話会 様」の文字はやや右に傾き、白い背景枠もゆがんでいるのが分かります。自民党茨城県第3選挙区支部宛の領収書の宛名欄の上に「信和政経懇話会 様」と印字された紙でも貼ってコピーした領収書偽造の可能性が考えられます。
ポチが二重計上の疑いをツイートしたり、葉梨事務所に問い合わせたりした直後、収支報告書が訂正されていました。ポチへの回答は一切ありませんでした。どういう理由で修正したのか、総務省に収支報告書の訂正願を開示請求したところ、訂正理由欄には「記載の誤りのため」と地味な記載でした。×印で提出を取り消した偽造「領収書」写しも開示されました。